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Pipette dripping a solution into test tubes with a cell image in the background.

Overview
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持続的な増殖、増殖抑制の回避、免疫細胞による破壊の回避、複製による不死化、血管新生の誘導、細胞死に対する抵抗などの特徴は、がんのホールマーク(顕著な特徴)であると考えられています1。がん遺伝子による腫瘍発生と腫瘍抑制遺伝子による腫瘍増殖阻害因子の放出が促進されると、がんが進行します。また、細胞内・細胞外代謝物の変化によって起こる細胞代謝の再プログラミングも、腫瘍微小環境(TME)に影響を及ぼし、それにより腫瘍発生に至ります2

 

 

がんの種類

 

がんの分類は、がんが発生した組織の発生学的起源に基づいて行われます。がんの種類には、上皮性悪性腫瘍、非上皮性悪性腫瘍、造血器がん(例:白血病、リンパ腫、形質細胞腫)、中枢神経系(CNS)のがん(脳および脊髄)、胚細胞がんなどがあります。

 

上皮性悪性腫瘍

上皮性悪性腫瘍は、皮膚や臓器の内腔の上皮細胞に発生するがんです。上皮性悪性腫瘍には、扁平上皮癌、腺癌、肝細胞癌などがあります3

 

非上皮性悪性腫瘍

非上皮性悪性腫瘍は、支持組織や結合組織に生じる間葉由来のがんです。非上皮性悪性腫瘍は軟部組織肉腫と骨肉腫の2つに大別されます。非上皮性悪性腫瘍の例としては、血管肉腫、線維芽細胞肉腫、軟骨肉腫などが挙げられます4

造血器がん

白血病やリンパ腫などの造血器がんは造血細胞に由来します。

 

白血病は白血球(WBC)のがんです。白血病では、造血前駆細胞が無制御に増殖することで、WBCが過剰産生されて、十分な赤血球や血小板が産生されなくなります。白血病は、白血病細胞の成熟度に基づいて、急性と慢性の2種類に分類されます5

 

リンパ腫は、リンパ系やWBCのB細胞・T細胞 集団に発生する血液のがんです。リンパ腫はその大多数(90%)がB細胞由来、残りの10%がT細胞腫瘍およびNK細胞腫瘍です6

 
A diagram comparing normal blood composition against one with leukemia cells.
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中枢神経系(CNS)のがん

CNSのがんは、神経堤を発生源とする脳および脊髄のがんです。CNSのがんには原発性と転移性とがあります。CNSのがんの例として、原発性CNSリンパ腫(PCNSL)、星細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫、多形性膠芽腫(GBM)などが挙げられます。膠芽腫は成人において最も多く見られる、最も悪性度の高い原発性脳腫瘍です。外科的切除、化学療法、放射線療法などを行っても、GBMは予後不良で、生存期間中央値は1年余りです7。GBMに見られる腫瘍抑制因子(例:TP53、CDKN2A、PTEN)の喪失やがん遺伝子(例:EGFRVIII)の過剰発現などの遺伝子変化に基づいて、さまざまなサブタイプのGBMが報告されています。

 

胚細胞がん

精細管内胚細胞腫瘍(GCNIS)は一次胚細胞(PGC)や始原生殖細胞に由来します。PGCは胚盤葉上層から発生し、始原生殖細胞と同様に、多能性幹細胞マーカー(例:KIT、NANOG)を発現します。SRYの存在により、卵巣または精巣への分化が決定づけられます。通常の条件下では、これらのマーカーは徐々に減少し、VASAやTSPYなどの胚細胞運命決定マーカーに置き換えられます。胚細胞腫瘍は再び幹細胞マーカーや多能性生殖細胞マーカー(例:OCT3/4、NANOG)を発現するようになります。GCNISは精上皮腫を引き起こし、非精上皮腫(例:卵黄嚢腫瘍、奇形腫)は胚細胞癌から分化します8

腫瘍微小環境(TME)

 

腫瘍発生は、新生細胞や新生細胞を取り巻く微小環境の遺伝子変化と代謝変化の両方によって誘発される複雑なプロセスです。TMEには、血管、リンパ管、間葉細胞、免疫細胞などが含まれます。TMEは腫瘍の進行や治療の転帰に大きな影響を及ぼします。TMEの特性は治療効果や治療抵抗性に関連するとされており、細胞傷害性T細胞の高度浸潤は免疫応答による腫瘍細胞の攻撃をサポートします。

 

TMEは、腫瘍自身、あらゆる相互作用細胞や細胞内プロセス(がん幹細胞、浸潤免疫細胞、栄養素を運ぶ血管、シグナル伝達分子)、そしてがん細胞が他の部位に移動するのを可能にする細胞外マトリックス(ECM)で構成されています9

腫瘍免疫微小環境(TIME)

 

がんゲノムアトラス(TCGA)サンプルの遺伝子解析に基づいて各種のがんに関連する免疫シグネチャーが明らかにされており、共通するがんの免疫サブタイプがいくつか確認されています。「infiltrated-excluded(IE)」、「infiltrated-inflamed(II)」、「infiltrated-TLS」という3つのクラスのTIMEが報告されています10

 

Diagram showing tumor cells.
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Diagram showing inflamed tumor cells.
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Diagram showing a dendritic cell and b cell infiltrating a tumor.
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がん細胞はどのようにして微小環境を構築するか?

 

がん細胞の増殖には、血管が多く存在し、十分な栄養素があり、寛容性のある環境が必要となります。がん細胞はそのような環境を積極的に構築することで、自らの増殖を有利に運び、免疫系の脅威から自己を守るために樹状細胞の寛容原性を誘発します11

References

  1. Hanahan D, Weinberg RA. Hallmarks of cancer: the next generation. Cell. 2011; 144(5):646-674. doi: 10.1016/j.cell.2011.02.013

  2. Pavlova NN, Thompson CB. The emerging hallmarks of cancer metabolism. Cell. 2016; 23(1):27-47. doi: 10.1016/j.cmet.2015.12.006

  3. Park JH, Kim JH. Pathologic differential diagnosis of metastatic carcinoma in the liver. Clin Mol Hepatol. 2019;25(1):12-20. doi: 10.3350/cmh.2018.0067

  4. Potter JW, Jones KB, Barrott JJ. Sarcoma-The standard-bearer in cancer discovery. Crit Rev Oncol Hematol. 2018;126:1-5. doi: 10.1016/j.critrevonc.2018.03.007

  5. Malouf C, Ottersbach K. Molecular processes involved in B cell acute lymphoblastic leukaemia. Cell Mol Life Sci. 2018;75(3):417-446. doi:10.1007/s00018-017-2620-z

  6. Swerdlow SH, Campo E, Pileri SA, et al. The 2016 revision of the World Health Organization classification of lymphoid neoplasms. Blood. 2016;127(20):2375-2390. doi:10.1182/blood-2016-01-643569

  7. Schreck KC, Grossman SA. Role of temozolomide in the treatment of cancers involving the central nervous system. Oncology (Williston Park). 2018;32(11):555-560, 569.

  8. Fukawa T, Kanayama HO. Current knowledge of risk factors for testicular germ cell tumors. Int J Urol. 2018;25(4):337-344. doi:10.1111/iju.13519

  9. Arneth B. Tumor microenvironment. Medicina (Kaunas). 2019;56(1):15. doi: 10.3390/medicina56010015

  10. Binnewies M, Roberts EW, Kersten K, et al. Understanding the tumor immune microenvironment (TIME) for effective therapy. Nat Med. 2018;24(5):541-550. doi: 10.1038/s41591-018-0014-x

  11. Saei A, Hadjati J. Tolerogenic dendritic cells: key regulators of peripheral tolerance in health and disease. Int Arch Allergy Immunol. 2013;161(4):293-303. doi: 10.1159/000350328>
Cancer Biology Research Tools
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がん生物学研究のためのフローサイトメトリーを用いたアッセイ

 

がん細胞が発現する細胞表面マーカーと細胞内マーカーをフローサイトメトリーで解析し、表現型の変化をシングルセルレベルで検出することができます。マルチカラーフローサイトメトリーであれば、単一の検体または細胞で複数のパラメータを解析でき、解析時間とサンプルスクリーニング機能の最適化が可能となります。がん幹細胞(CSC)などのがん細胞部分集団の特性評価も可能で、がん研究や治療薬開発の進展に役立ちます。

BD Biosciencesはがん生物学研究のためのフローサイトメトリー機器・試薬から成る包括的な製品ラインを取り揃えています

BD Biosciencesは、検体採取からサンプル作製や細胞解析に至るまで、数多くのツールを取り揃えています。

 

サンプル採取

BD Vacutainer® productsシリーズは、血液細胞やバイオマーカーの保存にご使用いただけます。

 

サンプル調製ツール

BD Horizon™ Dri Tumor and Tissue Dissociation Reagent (TTDR)は、優れたエピトープ保存効果により、腫瘍や組織を緩やかかつ効果的に解離します。TTDRは、細胞死を最小限に抑えながら細胞収率を最大限に高めますので、さまざまな腫瘍種を効果的に解離することができ、シングルセル研究が可能になります。

 

細胞染色・特性評価・解析ツール

BD Biosciencesは、細胞の特性評価を効率化する9,000以上の免疫・がん免疫療法関連のresearch reagentsから成る包括的な製品ラインを取り揃えています。

 

BD Horizon™ Dri Panelsのドライ試薬カクテルは、メモリーT細胞・単球サブセット・TBNK細胞の特性評価用に最適化して試験を行った、設計済みの即使用可能なマルチカラーパネルです。

  • Fluorochrome Marker Clone
    FITC CD16 4G8
    PE HLA-DR L243
    PerCP CD14 MΦP9
    APC CD192 (CCR2) LS132.1D9
  • Fluorochrome Marker Clone
    FITC CD197 150503
    PE-Cy 7 CD95 DX2
    BD Horizon™ APC-R700 CD27 M-T271
    APC-H7 CD3 SK7
    BD Horizon™ V450 CD4 SK3
    BD Horizon™ V500-C CD8 SK1
    BD Horizon Brilliant™ Violet 605 CD45RA HI100
  • Fluorochrome Marker Clone
    BD Horizon Brilliant™ Violet 450 CD20 L27
    FITC CD3 SK7
    PE CD16 B73.1
    PE CD56 NCAM16.2
    PerCP-Cy 5.5 CD45 2D1 (Hle-1)
    APC CD19 SJ25C1
    PE-Cy 7 CD4 SK3
    APC-Cy 7 CD8 SK1

設計済みパネルに加え、当社のCustom Solutionsは、凍結乾燥フォーマット、液体フォーマット、ドライフォーマットなどのマルチカラーパネルの委託製造により、試薬の手動混合に伴うミスや時間を最小限に抑え、試薬の安定性を高め、性能の一貫性を大幅に高めます。

 

BD Horizon Brilliant™ Polymer Dyesは、細胞集団を識別するためのハイパラメーターフローサイトメトリー実験を可能にするSirigen社の高度な色素技術を用いて開発されました。明るい色素は、薄暗い細胞集団(腫瘍浸潤リンパ球や、表面に受容体をほとんど持たない細胞など)を、サンプル中の他の細胞と区別するのに役立ちます。

 

ソーティングから解析に至るまで、当社のセルソーター、セルアナライザー、下流シーケンス、インフォマティクス解析ツールは、がん生物学研究のための効率的なソリューションを提供します。

 

当社の研究用セルアナライザー(BD FACSymphony™ Flow Cytometerなど)は、最大50個のパラメータの同時測定に使用することが可能です。BD LSRFortessa™ Systemは、最大20個のパラメータを解析することができます。

 

当社のマルチオミクスソリューションには、数百のシングルセルをハイスループットで捕獲・解析できるBD Rhapsody™ Single-Cell Analysis Systemが含まれます。当社のsingle-cell multiomics reagents portfolioは、トランスクリプトーム全体や目的の標的遺伝子の解析を可能にします。BD Rhapsody™ Immune Response Panelのような標的パネルでは、特定の免疫細胞種のプロファイリングが可能です。

BD Biosciencesのがん生物学ツールを用いて得られたサンプルデータ

 

BD FACSLyric™フローサイトメーターでの10色アッセイを用いた末梢血免疫細胞における免疫チェックポイント受容体発現の解析

Various data sets showing 12-hour timeframe results for different CD3 tests.

time-in-cultureまたは刺激条件によって制御される活性化T細胞における免疫チェックポイント受容体発現のBD FACSLyric™アナライザーによる解析。中間濃度(50 ng/mL)のホルボール12-ミリステート13-アセテート(PMA)+イオノマイシンは、CD3陽性T細胞において、CD134、CD137、PD-L1/CD274、HLA-DR、CD86、CD152、PD-1/CD279の強力な上方制御を誘発すると思われました。

 

 

PE-EH12.1を検出試薬として用いた、活性化T細胞におけるPD-1発現の解析

Data sets showing unstained, unstiumlated, and Anti-CD3 stain index results.

PMBCを、固定化BD Pharmingen™精製NA/LEマウス抗ヒトCD3抗体10 μg/mLで一晩刺激するか、培養液中で単独培養しました(非刺激細胞)。非刺激細胞と抗CD3抗体で刺激した細胞をBD Pharmingen™ヒトBD Fc Block™試薬でプレインキュベートし、BD Horizon Brilliant Violet™ 421(BV421)抗ヒトCD3抗体、BD Horizon Brilliant™ UV 395(BUV395)抗ヒトCD4抗体、連続2倍希釈(0.15~10 μg/mL)したBD Pharmingen™ PEマウス抗ヒトCD279(PD-1)抗体、クローンEH12.1(PE-EH12.1)で染色しました。左上:リンパ球におけるPD-1およびCD3の発現(前方・側方散乱でゲーティング[データの提示なし])を示したドナー1名の代表的なデータ。右上:棒グラフは、抗CD3抗体で刺激した、あるいは刺激しなかったドナー6名のサンプルの、CD4陽性T細胞サブセット(オレンジ色)およびCD8陽性(青色)T細胞サブセットに占めるPD-1陽性T細胞の割合を示したものです。下のパネル:滴定曲線は、異なる培養条件下でCD4陽性T細胞サブセットとCD8陽性T細胞サブセットの染色指数が最高値となったPE-EH12.1の最適濃度(1.25 μg/mL)を示しています。全体として見ると、抗CD3抗体による刺激はCD4陽性T細胞サブセットとCD8陽性T細胞サブセットのいずれにおいてもPD-1発現T細胞の割合を増加させましたが、PD-1発現率はCD8陽性T細胞サブセットのほうが高いという結果が示されました。

Unless otherwise noted, BD products described in this page are For Research Use Only. Not for use in diagnostic or therapeutic procedures.

BD flow cytometers are Class 1 Laser Products.  

The BD FACSLyric™ Flow Cytometer is for Research Use Only with BD FACSuite™ Application for up to 12 colors. Not for use in diagnostic or therapeutic procedures.