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細胞内フローサイトメトリー

Overview
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細胞内フローサイトメトリーは、細胞種を同定し、細胞株内や不均一な細胞サンプル中のシグナル伝達や機能的反応を解析するための強力な手法です。Th17 T細胞や制御性T細胞(Treg)などの一部の細胞種については、確実に同定するため、サイトカインや転写因子などの細胞表面・細胞内マーカーを組み合わせて使用する必要があります。また細胞内フローサイトメトリーからは、細胞の機能やシグナル応答に関する豊富な情報が得られます。細胞表面マーカーに特異的な蛍光抗体と、アポトーシス、増殖、タンパク質のリン酸化などのマーカーと組み合わせれば、どの細胞サブセットが各種の刺激や治療に反応しているかを特定することができます。複数のマーカーを組み合わせて使用することで、細胞1個当たりより多くのパラメータを測定することができるため、データ取得時間が短縮され、貴重なサンプルを節約することができます。western blottingやその他の手法は、細胞集団全体によって発現する単一のタンパク質について調べるのに有用ですが、フローサイトメトリーでは個々の細胞レベルで複数のタンパク質を同時に検出することができます。

 

BD Biosciencesは、細胞内フローサイトメトリーを容易にするための蛍光色素結合抗体・緩衝液・キット・プロトコルを取り揃えています。当社の抗体は、生物学的に関連のあるモデル系で試験が行われています。これらの確立されたツールは、免疫学、炎症、幹細胞生物学などの分野における新たな発見を可能にします。細胞内フローサイトメトリーによる細胞内サイトカイン染色や、リン酸化タンパク質や転写因子の検出をサポートするツールや手法(BDの蛍光色素結合抗体、緩衝液、キット、プロトコルなど)を見つけてください。

 

Protocols for intracellular flow cytometry

 

 

細胞内染色の基本原理

 

細胞表面染色のための手法は比較的標準的なものですが、細胞内マーカーを最適に染色できるかどうかは、多くの場合、標的タンパク質の生物学的特性に左右されます。そのタンパク質が細胞内のどこに存在するか、また他の分子との関連性や、そのタンパク質の安定性によって、異なる細胞調製法や細胞染色法が推奨されます。例えば、サイトカインは一般的に分泌タンパク質です。

 

しかし、サイトカインは、細胞内で捕捉すると、BD GolgiStop™(モネンシン含有)やBD GolgiPlug™(ブレフェルジンA含有)などのタンパク質輸送阻害薬を用いて細胞内タンパク質として染色することができます。サイトカインは、BD Cytofix/ Cytoperm™固定・透過処理液でやさしく固定・透過処理することで、比較的利用可能な状態となります。

 

サイトカインとは対照的に、転写因子は多くの場合、核内に存在し、DNAや他のタンパク質に結合します。Stat5などの一部のタンパク質のリン酸化により、二量体が形成され、検討対象のリン酸化エピトープが覆い隠されます。また、これらのタンパク質が細胞内ホスファターゼによって急速に脱リン酸化される可能性もあります。そのため、処理後は細胞を速やかに固定し、より強力な透過処理条件下に置くことで、抗体が核内に侵入し、破壊した分子複合体内のエピトープに到達できるようにしなければなりません。

 

細胞を固定・透過処理し(上の図では破線の膜で示しています)、染色して、フローサイトメトリーで解析します。サイトカイン産生の研究では、細胞をまずタンパク質輸送阻害薬で処理し、標的タンパク質が細胞内に蓄積するようにします。

BD Biosciences provides tools to support intracellular flow cytometry

細胞内フローサイトメトリーアッセイを容易にするため、BDはいくつかのキット・緩衝液・プロトコルを開発しました。また、時間・サンプル・費用を節約するため、重要な細胞表面マーカーに特異的な多数の蛍光抗体について、いくつかの緩衝液系で試験を行ってきました。緩衝液は、以下の目的のものがあります。

 

サイトカインの検出

BD Cytofix/Cytoperm™固定・透過処理液(カタログNo.554714)は、大多数のサイトカインや細胞表面マーカーの染色に適しています。この緩衝液系は、一部の転写因子やその他の細胞内タンパク質の染色にも使用できます。この緩衝液系は、刺激の弱い界面活性剤とホルムアルデヒド固定液を含有します。

 

転写因子

BD Pharmingen™転写因子緩衝液セット(カタログNo. 562574/562725)は、転写因子を単独で、あるいは細胞表面マーカーやサイトカインと併用して染色するためのものです。この緩衝液系は、刺激の弱い界面活性剤とホルムアルデヒド固定液を含有します。

 

リン酸化タンパク質の検出

BD Phosflow™ 透過処理緩衝液III(カタログNo. 558050)は、フローサイトメトリーでホスホエピトープを検出するのに推奨される透過処理緩衝液です。透過処理緩衝液IIIは刺激性の強いアルコール緩衝液です。特定の実験要件に合う別の透過処理緩衝液もあります。また、便利なbuffer compatibility tool, detailing many common clones and their compatibility with BD Phosflow™ Buffer protocolsも取り揃えています

 

使用する透過処理法は、細胞表面抗原やその他の細胞内抗原の検出に悪影響を及ぼす可能性があります。核への到達や、DNA-タンパク質複合体やタンパク質-タンパク質複合体の開放を可能にする手法は、多くの場合、細胞表面抗原を変性させ、抗体による細胞表面抗原の検出を妨げる可能性があります。異なる細胞内タンパク質を検出するには、異なる条件が必要となる場合がありますが、基本原理は同じで、細胞を固定・透過処理し、その後に細胞内において蛍光抗体で染色します。

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STATホスホチロシンエピトープは活性化細胞内で二量化により不明瞭となります。

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最適な細胞透過処理条件はエピトープの位置によって異なります。

Cytokine Detection
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Transcription Factors
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Phosphorylation
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Multiplexing
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Resources
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本製品は研究用です。診断や治療には使用できません。

Alexa FluorはLife Technologies Corporationの商標です。CFはBiotium, Inc.の商標です。CyはGlobal Life Sciences Solutions Germany GmbH(あるいはCytivaとして事業を行っている提携企業)の商標です。CytobankはBeckman Coulter, Inc.の商標です。