B細胞研究

マルチカラー解析は、B細胞研究に適しています。B細胞は、基本的なサブセット解析に、他の細胞、例えばT細胞に比べ、多くのマーカーを使う必要があるためです。


重要なマーカー

B細胞研究において、主要なB細胞サブセットを解析するには、細胞表面マーカー用いますが、これは、より詳細な解析を行うためのパネルの中心となります

特に重要なマーカーは、B細胞系統に属するほとんど全ての細胞で発現しているCD19です。また、マウスではCD45R/B220が伝統的に用いられています。さらに、BCRの表現型は、B細胞の各分化段階で重要であるため、解析パネルには、表面に発現するIgDおよびIgMを組み入れます。

基本パネル

サンプルの種類に合わせて、B細胞サブセットのマーカーを選択します。ここで示したヒト末梢血細胞の例では、CD19, CD20, IgD, CD27, CD38, CD24を用いています。 この6色パネルでは、transitional B細胞(CD24high, CD38high)、naïve、memory B細胞(naïve細胞;CD27IgD+, memory細胞 CD27+IgD)、形質芽球(CD38+)を解析しています。1

より詳細な表現型解析

さらなるサブセット解析の際には、多くの場合、表現型に応じてマーカーを追加することが必要です。

例えば、骨髄B細胞各発生段階の解析をする際には、マーカーを追加して、メモリー細胞やプラズマ細胞を解析できます。その他ケモカイン受容体やCD62Lで、細胞のホーミング、生体内の局在について、活性化マーカー(CD69、CD25、CD80、CD86)の追加により、各サブセットの活性化について解析でき、種々の免疫応答への知見を得ることができます。

パネル構築のためのツール

<抗原密度> 

パネルに新しいマーカーを追加する際、抗原と蛍光色素の適切な組み合わせを選択するため、抗原密度の情報を利用することができます。一般的に、高輝度色素を抗原密度の低いマーカーに、低輝度色素を強く発現しているマーカーに選択することを、推奨しています。BDでは、末梢血細胞マーカーの抗原密度についての情報を収集し開示しています。

<弱陽性マーカーには高輝度色素を> 

B細胞サブセットは、希少、または弱陽性の抗原で定義されることがあるため、十分な解像度であることは良好なデータを得るために極めて重要です。このような場合、輝度の高い蛍光色素を用いることで解像度の改善が期待できます。BV421、BV510、BV605等の高輝度シリーズは特に有用で、B細胞マーカー抗体を多く取り扱っています。

さらなるサブセット解析のためにパネルを広げるには

例えば、ここで示すような10色解析パネルを組む際には、抗原密度の情報が、蛍光色素との組合せを考える上で有用です。サブセットにより発現レベルの異なる低密度抗原CD138, IgD, CD38には明るい蛍光色素を選択し、CD27,IgMについては、特に明るいBV色素を選択します。

このパネルでは、免疫グロブリンサブクラスの発現、IgG+ 及びIgG のクラススイッチ後メモリー細胞(IgMIgDCD38CD27+/dim)、形質細胞(IgMIgDCD20CD38m++)も解析することができます。

ヒト末梢血細胞6色解析
ヒト末梢血細胞6色解析

ヒト末梢血単核細胞(PBMC)は、 CD19 PerCP-Cy™5.5, CD20 APC-H7, IgD FITC, CD27 PE-Cy™7, CD38 APC, CD24 PEで染色し、BD FACSVerse™ フローサイトメータで測定した。

ヒト末梢血細胞10色解析
ヒト末梢血細胞10色解析

ヒトPBMCは、CD19 BD Horizon™ Brilliant Violet™ 711, CD20 Alexa Fluor® 700, IgD PE-Cy7, CD27 BV421, CD38 APC, CD24 BD Horizon™ PE-CF594, CD3 BD Horizon™ V500, CD138 PE, IgM BD Horizon™ Brilliant Violet™ 605 (BV605)及び IgG FITCで染色し、BD LSRFortessa™ フローサイトメータで測定した。

ヒトPBMCにおけるB細胞マーカー抗原密度
ヒトPBMCにおけるB細胞マーカー抗原密度

3人の健常者ドナーから採取したサンプルから、ヒトPBMCにおけるB細胞マーカー抗原密度を、BD Quantibrite™ beadを用いてBD LSRFortessフローサイトメーター 及びBD FACSVerse アナライザーを用いて測定した。


References

1. Maecker HT, McCoy JP, Nussenblatt R. Standardizing immunophenotyping for the Human Immunology Project. Nature Rev Immunol. 2012;12:191-200.



Alexa Fluor® is a registered trademark of Life Technologies Corporation.

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