細胞周期&増殖/アポトーシス

全体像をつかむために

CaspaseとAnnexin Vの他にも、Bcl-2ファミリー、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)ファミリー、PARP、シグナル伝達分子など、アポトーシス研究に重要ないくつかのタンパクが有ります。


CaspaseとAnnexin Vの他にも、Bcl-2ファミリー、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)ファミリー、PARP、シグナル伝達分子など、アポトーシス研究に重要ないくつかのタンパクが有ります。BCL2ホモロジー(BH3)ドメインの存在によって同定されるBcl-2ファミリーは、アポトーシスの主要な制御因子です。例えば、Bcl-2はミトコンドリア膜に付随しミトコンドリアからのCytochrome cの放出を阻害することで、アポトーシスから細胞を守ります。対照的に、Bax等の他のBcl-2ファミリーメンバーはアポトーシスを促進します。癌では、Bcl-2レベルが上昇していることが報告されています。

TNFRファミリーは、CD95を含む多くのメンバーを有し、構造によって3つの主要グループに分けることが出来ます。TNFR経路を介したシグナル伝達はアポトーシスを引き起こします。

アポトーシス研究に用いられるその他の主要な分子

PARPは、DNA鎖の切断によって活性化されるDNA修復酵素です。カスパーゼ-3によりPARPが24-および89-kDaの断片に切断されると、PARP酵素は失活します。

アポトーシス、細胞周期、およびDNA損傷の同時解析

アポトーシスと細胞増殖アッセイは、ガンの基礎研究および創薬に特に有用です。サンプルの処理やタイミング、サンプル自体の可変性によって、異なる実験間のデータ比較が困難なケースがあります。

マルチカラーフローサイトメトリーはこの困難なケースに対応可能で、アポトーシスと細胞増殖の研究ツールとして非常に優れています。関連のあるマーカーを、細胞の表現型マーカーと組み合わせて、細胞集団の中の一部で起こる事象を調べることが可能です。リン酸化タンパク質に対する抗体は、リン酸化事象を調べるのに使用できます。

トポイソメラーゼIの強力な阻害剤であり、アポトーシスを誘導するカンプトテシンで処理したJurkat細胞の例

Jurkat細胞を、トポイソメラーゼIの強力な阻害剤であり、アポトーシスを誘導するカンプトテシンで処理した。ゲノム整合性維持に重要なタンパクであるH2AXのリン酸化は、DNA損傷のレベルと関係していることが示されている。マルチカラーフローサイトメトリーを使って、細胞増殖(BrdU)、アポトーシス(切断型PARP)、およびDNA損傷(ヒストンH2AX pS140)を、同一の実験で評価した。

切断型PARPの免疫蛍光
切断型PARPの免疫蛍光

成長したHeLa細胞を、無処理(A)、あるいはアポトーシスを誘導するスタウロスポリン(1.0 mM, 4時間)で処理した(B)。その後、細胞を、3.7%ホルムアルデヒド(15分、氷上)で固定し、0.25% Triton™ X-100/3% BSA/PBS(15分、氷上)で透過化した。続いて細胞を3% BSA/PBSで2回洗浄し、3% BSA/PBS中 4 μL/mLのFITC標識した抗PARPで染色した(室温1時間)。細胞を3% BSA/PBSで2回洗浄し、免疫蛍光顕微鏡で可視化した。A’およびB’は、各々AとBの位相相関。無処理の細胞は、ほぼ切断型RARP陰性であるのに対し(A)、スタウロスポリン処理した細胞集団は有意なパーセンテージで切断型RARP陽性を示した。