Clinical Research

臨床研究をサポートするツール

BDは、30年以上に渡り、先端臨床医療において臨床研究をサポートすることにより、その発展に貢献しています。 現在もBD バイオサイエンスの機器、試薬製品は健常人および疾患患者における複雑な免疫システムの解明に幅広く利用され、医療の向上を目指しています。

血液細胞関連疾患 感染症 自己免疫疾患 移植 循環器系疾患

BD バイオサイエンスの製品は、血液細胞関連疾患のための広範囲な免疫学的表現型決定と細胞内染色の試薬、そして細胞周期、増殖、および細胞死の研究のためのツールをサポートしています。

腫瘍学、すなわちがんの研究は、疾患の不均一性や限られたサンプルなどの多くの課題が存在する、ヒト疾患の複雑な領域です。BD バイオサイエンスのツールは、疾病のより深い理解、診断と疾患管理の改善、および新規治療薬の発見と開発の促進を目的として、臨床研究者が遺伝子、タンパクおよび細胞を研究するのを、世界中でサポートしています。BD バイオサイエンスのクリニカル腫瘍学研究のソリューションは、特定の亜集団の分離、およびサイトカイン発現、転写因子、そしてリン酸化状態の決定のための、抗体から細胞マーカーまで多岐に渡っています。

血液細胞関連疾患の研究

白血病は、血液細胞、通常白血球の異常な増殖を特徴とする血液または骨髄のがんです。白血病というのは、疾患のスペクトルを含む広い意味の用語です。またそれは、血液学的腫瘍と称される、さらに幅広い疾患の一部です。BD バイオサイエンスは、これらの細胞異常の生物学的側面を理解しようとする研究者をサポートするため、広範囲な免疫学的表現型決定やフローサイトメトリーアプリケーションのための細胞内染色試薬で、白血病の臨床研究をサポートしています。臨床研究者にとって特に興味を引くのは、白血病細胞のシグナル伝達経路の探索と、血液がんにおける幹細胞の役割です。

急性リンパ球性白血病(ALL)の研究

ALLは、白血球の一種で、骨髄およびリンパ系臓器によってリンパ球が過剰に作られる、血液のがんの一つです。

急性骨髄性白血病(AML)の研究

顆粒球性、骨髄性、骨髄芽球性、または骨髄白血病とも称されるAMLは、通常感染と戦う白血球の一種である顆粒球が骨髄によって過剰に作られる、血液のがんの一つです。その他の重要な細胞を圧倒することに加え、これらの過剰産生された顆粒球は正常に成熟しません。

慢性リンパ球性白血病(CLL)の研究

CLLは、白血球の一種であるリンパ球が骨髄およびリンパ系臓器によって過剰に作られる、血液のがんの一つです。リンパ球は通常、有害要素を攻撃する抗体を作ることによって感染と戦います。しかしCLLにおいては、細胞は未熟で過剰に豊富です。それらはその他の細胞を押しのけ、血液、骨髄、およびリンパ組織に集まる可能性があります。

参考文献

Coustan-Smith E, Ribeiro RC, Stow P, et al. A simplified flow cytometric assay identifies children with acute lymphoblastic leukemia who have a superior clinical outcome. Blood. 2006;108:97-102.

Schroers R, Griesinger F, Trümper L, et al. Combined analysis of ZAP-70 and CD38 expression as a predictor of disease progression in B-cell chronic lymphocytic leukemia. Leukemia. 2005;19:750-758.

Rawstron AC, Villamor N, Ritgen M, et al. International standardized approach for flow cytometric residual disease monitoring in chronic lymphocytic leukaemia. Leukemia. 2007;2:956-964.

細胞周期、増殖、および細胞死の研究

細胞周期、増殖、および細胞死は、発生や組織恒常性に重要な役割を演じます。プログラム細胞死とも称されるアポトーシスは、がん研究において特に重要です。正常なアポトーシス経路を回避する細胞の能力は、悪性細胞にとって生存上有利となります。逆に過剰なアポトーシスは、アルツハイマー病やパーキンソン病等の神経変性疾患に寄与します。BD バイオサイエンスの細胞周期、増殖、および細胞死の研究のためのツールには、BD Pharmingen™ Annexin Vキット、BD Phamingen BrdUキット、およびBD フローサイトメトリーシステムでの使用に最適化されたサイクリンや活性型カスパーゼに対する抗体等があります。

私たちの特許取得済の抗原特異的T細胞反応アッセイを含む、HIV/エイズ等の感染症やワクチン開発に関するお客様の研究をサポートするツール

今日、BD バイオサイエンスの試薬およびフローサイトメトリーシステムは、科学者がヒト免疫機能の複雑さを理解するのをサポートしています。感染病原体に対するヒト免疫系の反応は、感染のメカニズムや宿主反応の可変性を理解する鍵であり、より優れた治療およびワクチン戦略のために、この情報を活用しようと望む臨床研究者にとって重大な関心事です。BD バイオサイエンスは、HIV感染によって引き起こされる悲惨な疾患を含む、感染性疾患を理解するために広範な取り組みをサポートします。

HIV/エイズ研究のための製品

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、免疫系が機能しなくなって日和見感染に至る後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こしうるレトロウイルスのことです。HIVは主として、ヘルパーT細胞(具体的には、CD4+ T細胞とCD8+ T細胞)、マクロファージ、および樹状細胞に感染します。HIV感染は、以下の3つの主要メカニズムにより、CD4+ T細胞数の減少とCD4/CD8比の逆転を引き起こします:感染細胞の直接的ウイルス性致死、感染細胞におけるアポトーシスの率の増加、および感染細胞を認識するCD8細胞傷害性リンパ球による感染CD4+ T細胞致死です。CD4+ T細胞数が臨界値以下に減少すると、細胞性免疫は失われ、体は徐々に日和見感染にかかりやすくなります。

参考文献

Trautmann L, Janbazaian L, Chomont N, et al. Upregulation of PD-1 expression on HIV-specific CD8+ T cells leads to reversible immune dysfunction. Nature Med. 2006;12:1198-1202.

Riou C, Yassine-Diab B, Van grevenynghe J, et al. Convergence of TCR and cytokine signaling leads to FOXO3a phosphorylation and drives the survival of CD4+ central memory T cells. J Exp Med. 2007;204:79-91.

ワクチン研究

ワクチン接種の目的は、免疫系を特定の標的に対して予備刺激し、抗原と再遭遇した際に、抗体の蓄えおよびメモリー細胞が素早く増えるようにすることです。従ってこの「予備刺激」状態は、感染から宿主を保護します。ワクチンの研究およびクリニカルトライアルをサポートできるBD バイオサイエンスのツールには、マルチカラーフローサイトメトリーまたは従来のELISPOTによる抗原特異的T細胞反応の特許取得済アッセイ等があります。さらに、多彩なBD試薬および細胞内サイトカイン染色プロトコールが、免疫反応の質を特徴づけるのに利用できます。BDカスタムテクノロジーチームを通して利用できるBD Lyoplate™、および標準化プログラムサービス/サポートは、フローサイトメトリー実験におけるデータのばらつきを抑える有効な方法を臨床研究者に提供し、長期的および多施設クリニカルトライアルにおけるデータの質と一貫性を高めます。

参考文献

Stoitzner P, Green LK, Jung JY, et al. Tumor immunotherapy by epicutaneous immunization requires langerhans cells. J Immunol. 2008;180:1991-1998.

Sun Y, Santra S, Schmitz JE, Roederer M, Letvin NL. Magnitude and quality of vaccine-elicited T-cell responses in the control of immunodeficiency virus replication in rhesus monkeys. J Virol. 2008;82:8812-8819.

最先端の炎症性サイトカインおよびケモカイン検出アッセイ

自己免疫は、生物が自身の構成要素を自己と認識することに失敗することであり、その結果自己の細胞や組織に対して免疫反応を引き起こします。その様な異常免疫反応に起因するあらゆる疾患を、自己免疫疾患と呼びます。良く知られた例として、多発性硬化症(MS)、関節リウマチ(RA)、クローン病、I型糖尿病、およびループス等があります。BD バイオサイエンスは、科学者がヒト免疫機能の複雑さを理解することをサポートする、広範なフローサイトメトリーアプリケーションのための試薬で、自己免疫の臨床研究をサポートします。この研究分野は、Th17や制御性T細胞(Tregs)等の、多くの刺激的な新研究分野を生み出し、それらは、私たちが自己免疫関連疾患を理解する重要な手がかりを握っているかもしれません。

多発性硬化症研究のための製品

多発性硬化症あるいは散在性脳脊髄炎の名称でも知られるMSは、免疫系が中枢神経系を攻撃する自己免疫状態であり、脱髄を引き起こします。MS患者は、総(あるいは一部の)制御性T細胞(例えばCD39陽性)数の減少、およびTh17細胞の異常なレベルを有するかもしれないことが報告されています。

参考文献

Melzer N, Meuth SG, Torres-Salazar D, et al. A beta-lactam antibiotic dampens excitotoxic inflammatory CNS damage in a mouse model of multiple sclerosis. PLoS One. 2008;3:e3149.

ループス腎炎研究のための製品

ループス腎炎は、B細胞の過剰反応性およびT細胞機能不全による自己免疫疾患です。BD バイオサイエンスは、B細胞研究のためのCD20およびCD22に対する抗体のループス腎炎の研究のためのツールを揃えています。T細胞研究には、BD バイオサイエンスは、制御性、Th17、およびその他のT細胞に特異的な抗体、抗体カクテルおよびキットを取り揃えています。

参考文献

Mehrad B, Park SJ, Akangire G, et al. The lupus-susceptibility locus, Sle3, mediates enhanced resistance to bacterial infections. J Immunol. 2006;176:3233-3239.

Sharabi A, Luger D, Ben-David H, Dayan M, Zinger H, Mozes E. The role of apoptosis in the ameliorating effects of a CDR1-based peptide on lupus manifestations in a mouse model. J Immunol. 2007;179:4979-4987.

クローン病研究のための製品

クローン病は消化管の自己免疫疾患であり、炎症、腹痛および体重減少を引き起こします。免疫機能の厳密な問題点は定義されていませんが、幾つか提唱されたものには、過剰反応性Th1のサイトカイン反応、自然免疫の機能障害、Th17の異常等があります。活動性クローン病は、IL-17F遺伝子の発現の増加と関連付けられています。クローン病研究のためのツールには、サイトカインレベルを測定するキット(CBA)、サイトカインに対する抗体、およびT細胞の表現型決定用の抗体、キット、カクテル等があります。

関節炎研究のための製品

RAは、関節の炎症および骨や軟骨の侵食を特徴とする慢性炎症性疾患です。浸潤性の活性化されたマクロファージやT細胞が産生するサイトカインは、破骨細胞による骨吸収に関係しています。サイトカインやT細胞マーカーに対する抗体を含むBD バイオサイエンスの抗体およびキットを使って、Th17や制御性T細胞等の浸潤性細胞を同定したり、サイトカインレベルを測定したりすることが出来ます。

参考文献

Rankin AL, Reed AJ, Oh S, et al. CD4+ T cells recognizing a single self-peptide expressed by APCs induce spontaneous autoimmune arthritis. J Immunol. 2008;180:833-841.

Tregs、サイトカイン、および抑制マーカー研究の有効なツール

移植は、多くの病態のための救命処置です。免疫系の制御は、組織移植の拒絶防止に欠かせません。免疫抑制により、患者はより感染を受けやすくなります。骨髄移植においては、新たな免疫系が再構築されます。しかし、移植された骨髄が適合しなければ、移植片対宿主病(GVHD)という、免疫系が宿主を攻撃する状態を引き起こします。

BD バイオサイエンスは、CD34等の幹細胞分化のマーカー、造血幹細胞の同定および分離キット、並びにエフェクターおよび制御性T細胞マーカー等の細胞免疫研究のためのツールを含む、移植研究をサポートする多くのツールを取り揃えています。

参考文献

Fischer JC, Ottinger H, Ferencik S, et al. Relevance of C1 and C2 epitopes for hemopoietic stem cell transplantation: role for sequential acquisition of HLA-C-specific inhibitory killer Ig-like receptor. J Immunol. 2007;178:3918-3923. 

Golshayan D, Jiang S, Tsang J, Garin MI, Mottet C, Lechler RI. In vitro-expanded donor alloantigen-specific CD4+CD25+ regulatory T cells promote experimental transplantation tolerance. Blood. 2007;109:827-835.

Chakraverty R, Flutter B, Fallah-Arani F, et al. The host environment regulates the function of CD8+ graft-versus-host-reactive effector cells. J Immunol. 2008;181:6820-6828. 

Gondek DC, Devries V, Nowak EC, et al. Transplantation survival is maintained by granzyme B+ regulatory cells and adaptive regulatory T cells. J Immunol. 2008;181:4752-4760.

循環器系疾患における免疫系の重要な役割を研究するためのツール

TNF、IFN-γおよびIL-2等のサイトカインの分泌により媒介される炎症が、鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化、および移植拒絶等の要因であることが明らかになっています。Th17(IL-17を分泌するT細胞)もまた、循環器系疾患に寄与している可能性があります。スカベンジャー受容体のCD36は、血管細胞の炎症およびアテローム性動脈硬化に関与していることが報告されています。この進化する研究領域をサポートするため、BD バイオサイエンスは、単一サンプル内の複数のサイトカインを測定するためのサイトメトリービーズアレイ(CBAキット)、および浸潤性免疫細胞の表現型決定のための抗体およびパネル等のツールを提供しています。


For Research Use Only. Not for use in diagnostic or therapeutic procedures.